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コラム

2040年の日本を先取り ― 小渕志ち研究所が昨今の「女性蔑視問題」を説く

日本でも、女性がもっと社会で活躍すべきだという声が上がって久しく時が経っている。しかし、結婚や出産しても社会の中で働きたいと考える女性は多いものの、現実にはそうなっていない。特に、経済・政治の意思決定への参加度合いは国際的に見てきわめて低い状態が続いている。女性の参政権では欧米より20年遅れた日本だが、最近ではむしろ世界との差が開いている。半世紀前には男性13%、女性2%だった大学進学率が、最近では男女も女性もほぼ半分となったのは大きな進歩。しかし、学業は立派におさめても、「女は家庭」という考えを支持する意見は、女性も含め四割に上っている。(内閣府調査)

さて、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会・森喜朗前会長が、女性を蔑視する発言をした問題。今後(ジェンダー平等の)プロジェクトチームを立ち上げたり、新しい会長を選定していく中で、今の問題を引きずったまま進むわけにはいかないと思うので、再発防止にしっかり取り組む必要がある。一方で、組織委だけで変えられないこともある。組織委を取り巻くJOCや政府、東京都など色々なところに声が届ける必要がある。常日頃、差別を一切容認しない姿勢が広がることで、性別や年齢に関わらず活躍できる、全ての人が安心して生きられる社会を目指しせば、指導的な役割を果たす女性がもっと増えて、女性が抱える問題やニーズをもっと強く主張できるようになれば、すべての女性が置かれた状況は改善されるに違いない。では、どうやって今日の状況を打破するか。

そこで「小渕志ち」がもし生きていたら、何を発信するか研究した。小渕志ち研究所が存在する理由は、正にここにある。

女性が上を目指す時、立ちはだかる障害の一つがすでに上にいる女性だったということがある。これは悲しい事だが、事実である。先行世代の女性は、ある一つの組織で高い地位に昇れる女性は一人しかいない、と思い込む傾向がある。実際、そういうケースが多かったことはたしかだ。名ばかりの平等主義がまかり通っていた時代には、女性は連帯して不公平なシステムに立ち向かうのではなく、同じ部屋にいる同性の同僚を競争相手とみなしがちだった。野心が敵意に火をつけ、上を目指そうとする女性は同性から虫されたり、足を引っ張られたり、妨害されたりした。残念なことに、「偉くなれる女は一人だけ」という見方は今日もまだ消えていない。女は女と競争しなければならないという前提はナンセンスなのに、いまだにそう信じている人がいる。女性が同性の同僚にとくに辛口で、仕事への熱意、意欲、リーダーシップに疑義を提出することもめずらしくない。ある調査によれば、博士課程を指導する女性の大学教授は、男子学生の方が将来の仕事への意識が高いと思い込みがちだという。また他の調査では、成功した女性は性差別の問題意識が低くなりがちだということがよくわかった。特に、ジェンダー・バイアスの強い環境で成功した女性ほど、そうなりやすい。「女性に対する女性の辛辣な評価は客観的とみなされ、男性による評価より信用できるとみなされがちである」いわれるが、必ずしもそうとは限らない。女性は、多くの場合そうと気付かないまま、女性を軽視する風潮を自分の中に取り込み、無意識に態度に表している。だから、女性は性差別の犠牲者であると同時に、加害者にもなり得る。

ここまで述べたが、何が言いたいか。じつは職場では、男も女も女性にあたたかさややさしさを求め、自分のために時間を割いてくれることを期待する。このように女性に過大な期待をかけるので、それに相手が応えてくれないと、怒ってしまうというわけである。「女性エグゼクティブが女に冷たいとか意地悪あとか非難される大きな理由の一つは、ここにあります、つまり私たちは、女性の上司と男性の上司に対して、ダブル・スタンダード(対象によって異なる二重基準)をもっている」。森元会長の発言は、時代を変える大きな出来事であるが、同じ発言を女性の上司が言ったら、世論はどういう方向に行っていただろう。(恐らく女性の上司であれば違った言い方になっていた)つまり、我々の頭にはいつも凝り固まった前提があり続ける。それを断ち切る必要がある程、大きな変化点にいるのである。2021年の東京オリンピックが既に延期よりも中止に向かっている点で、向こう30年後には、「あの時にこんな事があったな~歴史の転換点だったな」と思わせられるはず。世界から日本へ批判が殺到したのも、当然である。日本人である我々は欧米の30年先を目指したジェンダー構造改革を目指すべきである。

あらゆる世代の男性が、リーダーの比率を変えるべく、積極的な役割を果たしてほしい。それは、いますぐにでも始められる。女性が有能であれば採用し、昇進させればよい。そういう女性が見つからないというなら、人材募集、メンター、スポンサーなどに投資し、女性が必要な経験を積めるようにする必要がある。

そして、いつか社会的期待が存在しなくなることである。父親が迎えに来て母親が働いているのがもっとあたりまえになれば、男の子にとっても女の子にとっても選択肢が広がるにちがいない。そうなれば、誰もが性別からでなく、一人ひとりの希望や才能や興味に応じた期待を抱くようになるだろう。

多くの女性にとって、自分の会社や組織でトップになるなど、思いもよらないことだろう。小渕志ち研究所からのお願いは、それを検討対象から外したり無視したりしないでくだしさい、ということだ。もっと多くの女性が思い切って二歩も三歩も踏み出せば、現在の力関係に変化をもたらし、多くの人に道が拓けるだろう。リーダーの座に就く女性が増えれば、すべての女性の公平な処遇に繋がると信じている。お互いに経験を分かち合い、思いを一つにすれば、きっと精度も変えていけると信じている。

現役世代の女性リーダーは、次第に声をあげはじめている。もっと多くの女性がリーダーになれば、現状への同化と順応を要求する圧力は和らぎ、女性のためにさまざまな措置を講じられるようになるだろう。女性リーダーが多い企業では、家庭と仕事の両立を容易にする措置が講じられる、役員報酬の男女格差が縮小する、中間管理職に就く女性が増える、といった好ましい結果が見られるという調査結果もすでに出ている。

平等を目指す闘いは、前の世代から引き継がれ、続く世代に委ねられることになるだろう。女性は職場でもっとリーダシップをとれると私は信じているし、男性は家庭でもっと力を発揮できるとも信じている。そして、その方が世界はもっとよくなると信じている。組織の半分は女性が率い、家庭の半分は男性が切り回す、そんな世界だ。そんな世界が実現してくるのは、近い10年、20年先の未来。我々は自分の本当にしたいことを見つけたら、大きく一歩踏み出し―そして進みつづけてほしい、いつまでも。

小渕志ち研究所は、「女性蔑視」に強く反対し、女性が社会で働きやすい構造、環境を整えるべく、先代の小渕志ちが築いた生きるあり方を今後も発信し続けようと思います。

よりよい社会を、みなさまと。

小渕志ち研究所

   

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